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開けた箱の中にあるもの~ギリシャ神話~

前回の記事で登場した、「パンドラの箱」についてのお話となります。

 

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人類初の女性として創られたパンドラですが、それはゼウスの報復が目的とされていました。

それは、プロメテウスが人間に「火」を与えたことによる報復でした。

 

パンドラは人間の災いとなるものとして創られプロメテウスの弟エピメテウスの元へと送られました。 

エピメテウスはゼウスの贈り物を受け取らないようにと警告を受けていましたが、

全てを兼ね備えたこのパンドラを妻として迎えます。送り出される時にパンドラはゼウスからピトス(壺)を持たされましたが、これがのちに箱と記述され「パンドラの箱」という馴染みのある代名詞となります。

 

パンドラの才能

パンドラはエピメテウスの元へ送られる際にあらゆるものを与えられます。それは、

・女性が行う仕事の能力(アテナ)

・男を苦悩させるほどの美貌(アフロディーテ)

・狡猾な心(ヘルメス)

・美しい歌声と癒しの力(アポロン)

・好奇心(ゼウス)

などです。(( )は与えた神々)

ちなみに「パンドラ」の正式名称は「パンドーラ―」ですが、

「パン(すべて)」、「ドロン(贈り物)」からつけられた名前となります。 

 

箱を開けると、、、

ゼウスから箱を持たされたパンドラですが、その箱は決して開けてはならぬと命じられていました。

しかし、好奇心を持ったパンドラはこの箱を開けてしまいます。

この箱から飛び出してきたものは、疾病・犯罪・苦痛など人類にとって災いとなるものでした。

これを見てあわてたパンドラはすぐにふたを閉めましたが、箱の中に唯一残されたものがありました。

それは、「エルピス(希望)」です。

 

この「エルピス(希望)」が残されたことの意味は、最後には希望が残っているとする説や、エルピスを悪いことの予兆と解釈し、結局残ったものも災いとなるものとする説があります。

 

ドラマチックな展開を望む私としては、最後には希望が残されていてあらゆる不幸から救われる方が面白いと思いますが、、、言葉の意味としてもエルピスは良い意味で使われているそうです。

 

おわりに

人類初の女性として登場したパンドラでしたが、人類に災厄をもたらした女性とされてしまっています。

これは、このパンドラ神話を記述したヘーシオドスという詩人が極端な女性嫌いだったことからだと言われています。嫌いだからと堂々と神話に登場させて、それが後世まで語り継がれるのもなかなか珍しい存在でもある人物だと思います。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。