英語読みの月暦の由来~前編~
月の暦を英語で表すときに1月はJanuary、2月はFebruaryというように書きますが、日本語を話す私たちの感覚では「なぜファーストやセカンドではないのか」という疑問を持っている方もいると思います。
今回は月暦になぜこのような言葉があてられたのかをご紹介していきます。
月暦はローマ神話の神々の名があてられている
まずはここからスタートになります。
月暦はローマ神話の神々の名やローマの著名人を英語表記にした形が今の月暦になっています。しかしその神々が適当に各月にあてられているわけではなく、それぞれ意味があって各月を担当する形になっています。
それではこれから各月につけられた由来をお話していきます。
1月~6月
1月:January
1月はローマ神話で登場するヤヌス(Janus)という神の名が起源となっています。
ヤヌスは前と後ろにそれぞれ顔を持ち反対向きに2つの顔を持つ神です。
出入り口と扉の守護神とされ、入り口の神でもあったため、年の始まりである1月の守護神としてこのヤヌスがあてられました。
2月:February
ここで登場するのはフェブルウス(Februus)という神。
古代ローマで毎年2月に執り行われていた「慰霊祭フェブルアーリア」の主神とされていた神です。この慰霊祭はとある戦争の戦死者を慰霊し、戦争の罪を清めるために始められたものだと言われています。
死者の魂と密接な関係があることからローマ神話に登場する冥界の神プルートと同一視されるようになりました。
ちなみにプルートはギリシャ神話においては「ハデス」と同一視されています。
3月:March
3月はマルス(Mars)という男神です。火星のマーズで聞いたことがある方も多いと思います。
マルスは軍神や勇敢な戦士の象徴として崇拝され、気候が温かくなり軍隊が動きやすくなり始めることから3月にこのマルスがあてられています。
マルスはギリシャ神話のアレスという神と同一視されています。アレスもまた戦を司る神として崇拝されています。
4月:Aplil
4月はウェヌスという愛と美の女神に捧げられた月とされています。
ウェヌスは「Venus」と書き、日本語では英語読みで「ヴィーナス」と呼ばれている女神です。
エイプリルとウェヌスはちょっと語感が合いませんが、ウェヌスはギリシャ神話では愛と美と性を司る女神アプロディーテと同一視されています。
このアプロディーテのエトルリア名(紀元前イタリアにあった都市)、「Apru」からとられたものだと言われています。
5月:May
5月はマイア(Maia)という女神があてられています。ローマ神話では春を司る豊穣の女神として崇拝されています。
現在の5月1日は「労働者の日」としての側面が強いメーデーですが、豊穣の女神マイアに供物を捧げる祭日がメーデーの起源とされています。
ギリシャ神話ではゼウスを父に持つヘルメスの母マイアがいますが、のちにローマ神話のマイアと混同されるようになりました。
6月:June
「ジューン・ブライド」という言葉が有名ですが、6月はユーノー(Juno)という結婚を司る女神からきています。6月に結婚をすることで女神ユーノーの加護を受けたいという期待が込められています。
このユーノーという女神はギリシャ神話では神々の王ゼウスの妻ヘラと同一視されています。ヘラも結婚や出産を司る女神として崇拝されています。
さて、ここまで上半期の英語表記での各月をお話しましたが、次回は下半期7月~12月のお話をご紹介させていただきます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
次回もお付き合いいただければ幸いです。