ゼウス「妻の母乳を愛人の子に飲ませたら天の川ができちゃった」~ギリシャ神話~
以前の記事で登場したゼウスの妻「ヘラ」ですが、その性格は非常に嫉妬深くゼウスの愛人やその子供にひどい仕打ちをしたりすることもあります。
元々はゼウスの浮気のせいでヘラは被害者になるわけですが、今回はヘラが直接巻き込まれた結果、誕生した逸話となります。
神ゼウスの技「オレオレ浮気」
ゼウスの数いる愛人の中で「アルクメネ」という女性がいます。正確には愛人というよりゼウスが一方的に惚れたもので、アルクメネはゼウスを拒んでいました。
何とか近づきたいゼウスは、アルクメネの婚約者「アムピトリュオン」に変身をし、結果的には彼女と浮気することができました。
ゼウスはアムピトリュオンがアルクメネの兄弟の仇を討つために戦争に行っていた間を狙い、変身をして本人になりすまし、夜を3倍の長さにしてまるで本人が語っているように戦争の結果を話し、アルクメネは偽者だと疑うことをしませんでした。
そしてアルクメネはゼウスとアムピトリュオンの子を同時に身ごもります。
異父兄弟の双子として先に生まれたのが「ヘラクレス」、後に生まれたのが「イピクレス」となりヘラクレスがゼウスの子とされています。
ヘラの能力が強すぎるがゆえに、、、
ゼウスはこのヘラクレスを寵愛し、不死にしたいと考えていました。不死にするための方法はヘラの母乳を飲ませることでした。
ヘラから見れば夫と愛人の子で自分にとっては他人の子です。
嫉妬深いヘラにとっては憎しみの対象となる子ですが、ゼウスはヘラの母乳をヘラクレスに飲ませようと画策します。
その方法としては、ヘラが寝ているときにヘラクレスに飲ませることでした。
しかしヘラクレスの母乳を吸う力が強過ぎてヘラが起き上がりびっくりしたと同時にヘラクレスを突き飛ばします。そのとき垂れ流された母乳が「天の川」になったと言われています。
ちなみに英語で宇宙や天の川を指す「galaxy(ギャラクシー)」はギリシャ語では「乳・ミルク」、
もしくは天の川のことを「milky way」と言い、まんま「乳の道」となります。
おわりに
日本では、天の川を隔てて離ればなれにされた織姫と彦星の話が有名ですが、
ギリシャ神話と混合して考えてみると、もし2人がこの話を聞いたらゼウスのせいで天の川ができてしまい、邪魔されたと自分だったらそう考えてしまうだろうなぁと思ってしまいます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。