悲劇のあとの希望を見つめて~ギリシャ神話~
以前のブログで、アプロディーテの浮気について触れましたが、
今回はその浮気現場を夫ヘパイストスに密告した「太陽神ヘリオス」のお話となります。
アプロディーテはヘパイストスと結婚していましたが、夫の醜さゆえに「軍神アレス」と浮気をします。
それを太陽神ヘリオスに見つかり、夫のヘパイストスに密告され離婚することになるのですが、アプロディーテはこの件に怒りが収まらず、ヘリオスに仕返しをします。
神の仕返しは心をえぐる
ヘリオスにはニュンペ(妖精)の「クリュティエ」という恋人がいましたが、アプロディーテはヘリオスの心を人間の娘「レウコトエ」に向けさせます。
ここでもアプロディーテの子であるエロスが放つ矢、「キューピッドの矢」が使われたとも言われています。
そしてヘリオスはレウコトエに夢中になりますが、恋人を奪われたクリュティエは当然嫉妬に狂います。
クリュティエはレウコトエの父である「ペルシャ王オルカモス」に娘が不貞をしている、たぶらかしたなどと密告しヘリオスを返すよう求めます。
厳格な父であった王は娘を許さず、レウコトエを生き埋めにしてしまいます。
生き埋めにされたレウコトエを空から見つけたヘリオスですが、見つけた時にはすでに生気がなく温めたりしてもすでにこと切れ、助けることができなかったヘリオスは悲しみのどん底へと落ちていきます。
この時点でアプロディーテの仕返しは達成したのでしょうが、、、
これを知らない恋人クリュティエにとっては知らずに巻き込まれ浮気されたと思い、怒るのも当然な気がします。
いつか振り向いてもらうことを期待して、、、
悲しみに暮れたヘリオスはレウコトエを天界へと連れて行き、クリュティエはただ1人残されてしまいました。
ヘリオスを想い、いつか振り向いてほしいと太陽神ヘリオス(つまり太陽)をずっと見つめていたクリュティエはそのうち大地に根を付け、一輪の花となります。
それが「ひまわり」です。
(ヘリオトロープやキンセンカとも言われています)
おわりに
今回のメインキャストはヘリオス・クリュティエ・レウコトエですが、3人とも悲しい結末で終わる悲劇です。
神々は不死であるため、こういった行為でしか相手を傷つけることができないのでしょうが、巻き込まれる人間たちはたまったものじゃないですね。
次回は花にちなんで他に花となった者たちのストーリーをご紹介します。
ここまでお読みいただきありがとうございました。