ゼウスが最強なら嫁は最恐～ギリシャ神話～

ギリシャ神話で最高位の女神とされる「ヘラ」、今回はこの女神についてのお話となります。

ヘラはゼウスやアテナなどと同じ「オリュンポスの十二神」の一柱で神々の女王でもありました。

結婚や母性を司る女神とされており、ヘラの夫はゼウスです。

古代ギリシャでは一夫一妻制が重視されており、ヘラは非常に嫉妬深い性格でした。

にもかかわらずゼウスには愛人が多く存在しその子供もたくさんいます。

嫉妬深いヘラは愛人やその子供に罰を与え、たびたび悲劇が起こっていました。

ゼウスが浮気をするとヘラは怒り狂い浮気相手に罰を与えますが、ヘラ自身も相当なストレスを抱えます。

そのストレスのせいでヘラの魅力が損なわれ、ゼウスがまた違う愛人を探してしまうというループ状態となります。

すべてゼウスのせいである気もしますが、ヘラは毎年春になると「聖なる泉」でこのストレスを洗い流し、美を司る女神アプロディーテにも劣らぬ美しさを取り戻します。そしてゼウスもこの時期は他の女性に目も向けずヘラに夢中になったと言われています。

そんな時期があってもゼウスとヘラはケンカが絶えませんでした。

ある時、口論になり機嫌を損ねたヘラがとある山に隠れます。

ゼウスはヘラを呼び戻そうと山に行き、木偶の人形に花嫁衣裳を着せて新しい嫁だと吹き歩きます。

元々嫉妬心の強いヘラは隠れることに我慢できず飛び出し、その花嫁衣裳をズタズタに引き裂いたところ人形であることに気づき、仲直りしたという話があります。

完全にゼウスは楽しんでいる感じがしますが、なんだかんだでヘラを理解し夫婦関係を望んでいるようにも思えます。

ゼウスの数いる浮気相手の中でイオという女性がいます。ヘラはこのイオに対しても浮気の疑いを掛けますが、ゼウスはイオを雌牛に変え、ただ愛でていただけと白を切ります。それでもヘラは疑いを解かず、この雌牛に百眼を持つ巨人アルゴスを見張りにつけます。

このアルゴスは１００の眼を持ち、眠るときも５０の眼が開いたままの状態のため死角がないと言われる巨人でした。

ゼウスはヘルメスにイオ救出を命令し、雌牛状態のイオは救出されることになりますが、ヘラは「アブ」をイオに送りつけ、イオはそれから逃げ惑うことになります。

イオは色々な土地を逃げ回りますが、最終的にエジプトにたどり着きます。

そしてゼウスとの間にできていた子（エパポス）を産みますが、この子がエジプトの王となります。

また、イオはデメテルの像を建てますが、イオとこのデメテル像はエジプト人から「イシス」と呼ばれるようになります。

このイシスとは、エジプト神話における女神とされています。

ゼウスとヘラには「ヘパイストス」という息子がいますが、このヘパイストスにまつわるストーリーでもとある逸話が生まれます。

このお話は次回の記事でご紹介していますのでよろしければご覧ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。